子供の時、真っ赤な二つの実のさくらんぼは桜の木から取れるものだと思いませんでしたでしょうか。
実は、春に花見に行くようなソメイヨシノからあの美味しい実はなりません。
ソメイヨシノは江戸時代に作られた観賞用の品種であり、もし実が付いたとしても苦くてとても食べられません。
さくらんぼは、セイヨウザクラという品種の実です。
私達がよく食する佐藤錦等はこの木から出来ます。
しかし、毛虫にとっては、ソメイヨシノもセイヨウザクラもどちらの葉も大好物なのです。
桜の季節は毛虫の発生時期であり、私達にとっての毛虫との戦いの幕開けなのです。
とにかく毛虫達にとってファンが多いサクラですが、一体どのような毛虫がさくらんぼの木の敵なのでしょうか。
詳しくご説明いたします。
さくらんぼにつく毛虫の駆除と消毒
さくらんぼの木はサクラ属の樹木となります。
あらゆる害虫の標的になる樹木と言えます。
サクラ属樹木の葉に付く毛虫は沢山いますが、主に大量発生するマイマイガ、毛に毒があるドクガ、糸で膜状の巣をつくるオビカレハ等、あげればきりが無いほどの毛虫がつく可能性があります。
その毛虫も、毒のあるものから無いものまで様々混在しています。
毛虫だけではなく、イモムシ、尺取虫もこの種の葉を好みますので、さくらんぼの木はとても狙われやすい木だと言えます。
その為、無農薬栽培や、有機栽培は基本的に難しいのが現状です。
農薬散布による消毒を年間10回は最低でも行わないといけません。
それは、毛虫などの害虫が発生する時期が違いますので、それにあわせた殺虫剤や、農薬散布が必要となるからです。
例をあげれば、スミチオン乳剤という農薬が幅広い分野の害虫に対して使用されています。
しかし、この薬は予防の効果はありませんので、害虫の発生後に散布します。
なるべく農薬を減らしたいというのであれば、ネットをかけて、さくらんぼの木をよく観察し、卵の時期から駆除するようにする方法もあります。
しかし、手間が非常にかかりますので、根気のいる作業になります。
さくらんぼなってたし、毛虫もご機嫌さんだったし、お天気だったし、
明日ほんとに雨降りなのかな〜
信じがたい pic.twitter.com/QQ4QPRIdUi— 福元 章子 Fukumoto Shoko (@Fukumoto_Shoko) 2018年5月22日
まとめ
山形県が全国の八割を占めるというさくらんぼですが、かなり手間のかかる果物といわざるをえません。
毛虫等の害虫はもちろんのこと、枝の剪定時における細菌の感染まで気を配る必要があります。
農薬に頼らないようにするのは不可能と言えるかもしれません。
さくらんぼ農家が手間をかけて作るさくらんぼの中には、一箱20万円もする高額な佐藤錦もありますが、かける時間と、手間のかかる害虫との闘いの事を考えると、あながち高すぎるという事も無いのかもしれません。
みなさん。さくらんぼを食べる時は、よく洗ってから、農家のみなさんに感謝して食べましょうね。