ヒッチコック監督の「鳥」をご存知でしょうか。
ホラー映画の傑作で、恐ろしい数の鳥が襲いかかる恐怖映画です。
しかし、これは映画ですが、現実に似たような事が起ることが有ります。
それは昆虫の大量発生です。
明治14年に発生したトノサマバッタの大量発生では、なんと約400億匹のバッタが捕獲されたと記録に残っています。
被害ははかりしれません。同じように、何年かに一度、大発生する蛾がいます。
「マイマイガ」です。
まさに街を覆いつくすほどの大量発生が起ります。
想像を超える数のマイマイガは、いろいろな所で被害が生まれます。
熊が山の麓に頻繁に出没する原因が、マイマイガの大量発生が一因だったという森林研究所の報告もある程なのです。
その謎に迫ってみましょう。
毛虫が外壁に大量発生
マイマイガの学名は「Lymantria dispar」といいます。
「オスとメスで見た目が違う破壊者」という意味を持ちます。
大量発生は約10年周期でおこり、約3年程継続しています。
実はその発生原因はまだわかっていません。
2014年に長野県で大量発生の注意報もだされていますし、次の年も同じ様に出されています。
マイマイガは家の外壁にも卵を産みます。
特に白っぽい外壁を好むようです。
公園の照明付近にも産みます。
その卵塊から孵化したおびただしい数の幼虫は、好物のサクラやウメの葉だけでは足りず、果樹や野菜等の農作物にも大きな被害があります。
まさに名前の通り破壊者そのものと言えます。
しかもその幼虫は肌の弱い人が触れると、かぶれる恐れもあるので注意が必要です。
外壁に発生した毛虫の駆除
マイマイガは成虫に殺虫剤を散布してもあまり意味を持ちません。
大量発生を防ぐ為に卵のうちに駆除するのが得策です。
手袋、ゴーグル、マスクをしてペットボトルを半分に切ったもので削るように剥ぎ取るか、高圧洗浄機で洗い落とすなどして取り除きましょう。
家屋の壁に上がられないようにする為には、粉状の殺虫剤を壁際に沿って散布する方法をとります。
まとめ
大量発生の原因も特定には至っていない上に、その終わり方も不思議です。
マイマイガには普段は滅多に起らない病気が突如発生し、突然大量に命を落として終息します。
その年以外でこのウィルスは検出した事はないのです。
謎の多い大量発生ですが、私達は、数年続く大量発生を防ぐ為に、卵のうちに数を出来るだけ減らすしか方法はありません。
各自治体の担当者も躍起になって、卵塊の取り除きを訴えています。