暖かくなると、街路樹や植え込みなどで、もりもりと葉を食べている毛虫を見かけることがあります。
よくよく観察してみると、毛虫って種類によって色が全然違うんですよね。
主なものを挙げただけでも、緑・黒・茶色・白・オレンジなど、実に多様です。
毛虫は成長すると蝶や蛾になりますが、毛虫の色と成虫の色は全く違うこともあります。
また、同じ種類の毛虫でも、成長するにつれて色が変わっていくことも珍しくありません。
今回はその中から、白と黒の毛虫について、日常生活でよく見かけるものを中心にご紹介したいと思います。
日常目にする毛虫の種類(白いもの)
アメリカシロヒトリ
よく見かける白い毛虫の代表格、アメリカシロヒトリ。
本体は緑や黒(成長段階によって模様の面積が変わる)ですが、真っ白な長い毛がびっしり生えているため、全体的に白っぽく見えます。
成虫は蛾で、こちらはその名の通り全身真っ白です。
毒はなく、人体に危害を及ぼすような毛虫ではないですが、木の枝などに巣をつくり、葉を集団で食べてしまいます。
外来種で生存能力が高く、大量発生すると木の葉がほとんどなくなってしまうことも。
マツカレハ
松林などでよく見かける毛虫。
白というよりは、白銀色や薄灰色という表現の方がしっくりくるでしょうか。
腹面は茶色で、時期や個体によっては、茶色の面積が白い部分よりも大きいことがあります。
毒を持ち、松の木を食い荒らしてしまうので、越冬する時期に合わせて松の幹に「こも」とよばれるワラを巻き、中にマツカレハを誘い込んで駆除するという方法がとられていましたが、近年それが逆効果であることが明らかになっています。
日常目にする毛虫の種類(黒いもの)
シロヒトリ
白い毛虫として紹介したアメリカシロヒトリの仲間。
黒いのにシロヒトリ?と疑問に思われるかもしれませんが、成長すると真っ白な蛾になります。
タワシの毛を長くし、そのまま細長く伸ばしたような外見をしており、タンポポやオオバコなどを好んで食べます。
毛虫の割に足が速く、地上をすごい勢いで這って移動することもしばしば。
モンクロシャチホコ
黒い体に黄色の毛がまばらに生えている毛虫。
生まれたての頃は赤っぽい色をしていますが、成長するにつれて黒く変化していきます。
刺激を受けるとしゃちほこのように反り返る性質があり、これが名前の由来となっているようです。
色々な植物を食べる雑食性の毛虫ですが、特に桜の木に大量に生息しているのをよく見られることから、「桜毛虫」という別名があります。
まとめ
日頃見かける機会が多い毛虫についてご紹介しました。
身近で見たことのある毛虫はいたでしょうか。
毛虫が苦手な方も多いでしょうし、あまりじっくり眺める機会はないと思いますが、もし道端で毛虫を見つけたら、ちょっと立ち止まって観察してみるのも面白いかもしれません。