道路を歩いていると、まれにアスファルトの上を歩く毛虫に出くわすことがあります。
茶色いふわふわした、小さなタワシのような毛虫が、その小さい体からは想像できないほどの猛スピードで道路を一直線に横切っていく姿を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
なかなかインパクトのある絵ですよね。
このタワシのような毛虫、何の毛虫なんでしょう?
道路に出ると目立つので、危険な目に遭うことも少なくないはずですが、どうしてわざわざ道路を横切ろうとするのでしょうか?
道路を横切る茶色の毛虫の名前
道路を横切るあの毛虫は、「ヒトリガ」という蛾の幼虫の仲間です。
ヒトリガの仲間のうち、ヒトリガ・シロヒトリ・スジモンヒトリなどが、主に道路を横切る習性を持っているようです。
毒はなく、触っても害になることはありません。
茶色の毛虫が道路を横切る理由
しかし、どうしてヒトリガの幼虫は道路を横切るのでしょう。
理由としてはふたつあると言われています。
ひとつは、餌となる草や木の葉を探すため。
ヒトリガは雑食性で、タンポポ・オオバコなどの雑草から、ダイコン・白菜など野菜の葉、クワなどの木の葉まで、さまざまな植物の葉を食べます。
その場所の餌を食べ終えると、次の餌を求めて地面に降り、積極的に移動を繰り返します。
もうひとつは冬に向けて冬眠場所を探すためです。
ヒトリガは8月頃に卵から孵り、幼虫の状態のまま、落ち葉の下などで冬を越します。
そのため、安全な冬眠場所を探しまわり、道路を横断するのです。
道路に出ると、天敵の鳥や虫に食べられたり、車に轢かれたりしてしまうこともありますが、足が比較的速いことや、餌となる植物の幅が広いことなどから、移動にかかるデメリットはあまり大きくないようです。
まとめ
道路を横断する毛虫の正体は、餌を求めてあちこちへ移動するヒトリガの幼虫でした。
普通の毛虫の生態から考えると不思議に見える習性も、理由がわかると納得がいきますね。