「桃栗三年、柿八年」の言葉でも知られる柿の木ですが、果物としては冬の風物詩ですよね。
緑が少なくなる冬に、柿の実の暖色は貴重な存在です。
そんな柿ですが、実は毛虫がつきやすいのです。
今回は柿の木に毛虫がつく時期とその予防方法についてのお話をしていきます。
柿に毛虫がつく時期はいつ頃?
柿の木につくことで有名な毛虫は、「イラガ」と「カキノヘタムシガ」でしょう。
この2つの毛虫は、大量に湧くと柿が大きくなる前に木から落ちてしまい、不作の原因になります。
イラガは、主に柿や桜、りんご、ナシなどの葉を食べます。
黄緑色の背中に茶褐色の砂時計のような模様があるので、見たらすぐに解ると思います。
主に6月~7月の時期に発生して葉を食べて大きくなり、7月には繭になり8月上旬成虫となり産卵します。
ということは、9月~10月にもイラガは発生するということですね。
しかもこのイラガ、刺されると激しい痛みがあり注意が必要です。
もうひとつのカキノヘタムシガは、その名の通り柿のヘタを残して実を落としてしまう毛虫です。
この毛虫、柿のへたの間から実の中に入り込んで果肉を食べます。
多く発生する時期は6月~9月の期間です。
カキノヘタムシガのせいで、たくさんついていた柿の実が収穫時期近くなると落ちてしまうということも。
柿の木と実を毛虫から守るための予防法とは?
さて、柿の木につく毛虫の「イラガ」と「カキノヘタムシガ」の予防方法についてなんですが。
まずイラガは、オルトランとマラソンを予防目的で6月頃に使用すると効果的です。
オルトランやマラソンは、浸透移行性といって木の中を移動して毛虫が葉を食べる時に効果を出します。
柿の木にイラガを見つけたら、BT剤やピレスロイド系の殺虫スプレーを使います。
カキノヘタムシガは実の中に入り込まれてからでは対処が難しくなりますので、事前に対策が必要です。
BT剤のバシレックス水和剤はカキノヘタムシで農薬登録があるので有効ですね。
8月以降の実が大きくなってからの落菓を防ぐために、8月上旬と下旬に予防を兼ねて散布しましょう。
殺虫剤を使う以外で予防するとすれば、次のような方法があります。
幼虫が蛹になる前の9月下旬から10月の時期に、幹にダンボールや荒縄、ムシロなどを巻き付けて幼虫を寄せ付け冬になったら外して焼却します。
また、樹皮の下で冬を越そうとしている幼虫の卵を駆除するために、粗皮を剥がして取り除くのもひとつの手です。
粗皮削り用の園芸用品が販売されていますし、人によっては高圧洗浄機を使う方もいますよ。
粗皮剥がしの後に消毒をすると、農薬が行き届きやすくなるのだそうです。
まとめ
カキノヘタムシガの被害で美味しい実を食べられなくなるのも、イラガに刺されて痛い思いをするのも、できれば避けたいですよね。
前もって出来る予防方法で、被害を減らして秋の味覚を堪能しましょう。