暖かくなってくると、お目にかかる機会が増えるのが毛虫。

庭の木や草、街路樹はもちろんのこと、アスファルトの上をもぞもぞ、なんてところを見かけることも多いですね。

一般的には、蝶や蛾の幼虫のうち毛が生えているもののことを毛虫、生えていないもののことを芋虫と呼びますが、その線引きは曖昧で、中には少しだけ毛が生えているような、芋虫か毛虫かよくわからないものも存在します。

日本には、たくさんの種類の毛虫が生息しています。

分類の仕方はさまざまですが、人を刺す毛虫と刺さない毛虫の2種類に大きく分けられ、それらを合わせると実に1000種類ほどになるというから驚きです。

今回はその中から、日頃よく見る毛虫を中心に、日本に生息しているいくつかの種類を紹介したいと思います。

日本 毛虫 種類

日本でよく見かける毛虫の種類

チャドクガ

ツバキ科の樹木でよく見かける毛虫。

黒い体の背に茶褐色の模様があります。

小さいうちは集団でびっしり固まって、一枚ずつ葉を食べ進めている姿が見られます。

毒針毛とよばれる、非常に小さな毒針を大量に持っており、これが人体に付着すると赤く腫れ、痒みが長く続きます。

ドクガ

チャドクガと同じ科に属する毛虫。

見た目も似ており、黒い体にオレンジ色の模様があります。

こちらはサクラやウメなど、さまざまな植物で見ることができます。

成長するとチャドクガの数倍大きくなり、刺されたときの症状もこちらの方が酷くなります。

イラガ

緑色をしており、毛というより棘のような突起が特徴の毛虫。

この突起は毒棘といって、毒針毛とは違うタイプの毒針です。

カキやケヤキの葉を好んで食べ、チャドクガと同じく小さいうちは葉の裏などに群がっていることもあります。

刺されると、電気が走ったような激しい痛みを伴います。

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アメリカシロヒトリ

名前でもわかりますが、アメリカからの外来種。

白っぽい体に生えた長い毛が特徴です。

毒はなく、サクラをはじめとしたさまざまな植物を好んで食べます。

小さいうちは糸で巣を作り、その中で集団生活をしています。

繁殖力と食欲がとても強く、時には街路樹の葉をまるごと1本食べつくしてしまうことも。

クワゴマダラヒトリ

黒地に茶色と白の模様がある本体に、白と黒の毛が混ざったような外見をした毛虫。

その名の通りクワの葉を好みますが、他にも非常に多くの種類の植物を食べます。

その範囲は広く、雑草、植栽、さらにはウメやミカンなどの果樹類と、非常に多種に及びます。

毒はないため人体に影響はありませんが、最近では果樹園などで害虫として問題視されることもあるそうです。

ツマグロヒョウモン

黒に鮮やかなオレンジ色の模様が特徴的な毛虫。

いかにも毒をもっていそうな色ですが無毒です。

今回紹介した中では唯一、成長すると蛾ではなく蝶になります。

スミレ科の植物が大好きで、庭先などに植えてあるパンジーやビオラを次々と食べてしまう、ガーデニング愛好者にとっては頭の痛い虫です。

まとめ

毛虫と一口に言っても、実に多くの種類が日本に存在しています。

その中でも人を刺す有毒種は、毛虫全体の中でごくわずかしかいないそうです。

植物を食い荒らす、毒針で刺されるなど、あまりいいイメージがないためつい敬遠しがちな毛虫ですが、それぞれの種類の特徴を知り、上手に付き合っていきたいですね。

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