毛虫が道路を横断するのはなぜなのでしょう。
ほぼ1年じゅう見かける毛虫ですが、木の枝や葉の上だけでなく、たまに道路を渡っている毛虫がいます。
今回は、なぜ毛虫は道路横断するのか、その理由をご紹介します。
なぜ毛虫は道路横断するのか、その目的は!?
毛虫が春に道路横断をするのは、食べられる植物を探しているからです。
種類ごとに特定の植物しか食べないため、もともといた場所で食事を終えたら、また別の植物を探さなければなりません。
毛虫の種類ごとに好む植物を、まとめてみました。
- ドクガ→ サクラ、ウメ、モモ、バラ、ツツジ、フジ
- チャドクガ→ ツバキ、サザンカ、チャノキ
- キドクガ→ マンサク、リョウブ、タニウツギ、ケヤキ
- モンシロドクガ→ サクラ、ウメ、リンゴ、ナシ
- イラガ→ ウメ、サクラ、アンズ、クリ、ヤマボウシ、カエデ類、ヤナギ類
- マツカレハ→ アカマツ、クロマツ、カラマツ
- マイマイガ→ 広葉樹・針葉樹含め、ほとんど全ての植物
- アメリカシロトリ→ サクラ、ヤナギ、カキ、ミズキ、プラタナス、ポプラ
- オビカレハ→ ウメ、サクラ、リンゴ、モモ、ナシ、ヤナギ
- タケノホソクロバ→ タケ、ササ
などです。
代表的なものを挙げてみましたが、このほかにも毛虫の種類はたくさんいます。
なんと、いまのところ確認できるだけでも、4500種類もいるそうです。
そんなにたくさんの毛虫がいるとなると、すべての植物に、必ず最低1種類くらいは、その植物を好む毛虫がいそうですよね。
面白いと思ったのは、苔をも食べる毛虫がいたことです。
コケガ類の毛虫なのですが、成虫は鮮やかな紅色をしていて、とてもきれいでした。
なかでもアカスジシロコケガという蛾は、身体全体は白いのですが、そこに紅色の筋が1本と黒い斑点が2つあり、とてもこれが、幼虫のころは苔を食べていたなんて思えない美しさです。
このように、毛虫が食用とする植物は、多種多様です。
いちどに孵化する毛虫は大量ですし、多くの好みの傾向は、バラ科や果樹に偏っている気もします。
いかに早く、自分好みの植物へたどり着けるか。
そんな思いを毛虫が持っているのかいないのかはわかりませんが、生存競争の勝者になるため、毛虫は道路を渡るのです。
道路を横断する毛虫は、秋にも見かけます。
毛虫が活動するのは、11月ごろまでで、その後は蛹になり越冬します。
秋ごろ道路を横断している毛虫たちは、越冬する場所を探しているのです。
まとめ
食料や安全に冬を越せる場所を求めるのに、車に轢かれてしまうかもしれない危険を負わなければならないとは、悲しいことですね。
これから、もし運転中や歩道を歩いているときに、道路を這っている毛虫を見かけたら、懸命に生きようとしている彼らを応援してあげたい、と思いました。